Jonathan Richman『That Summer Feeling』


ジョナサン・リッチマンを聴くと昔の友達たちを思い出す。もう戻らないものを思い出す。ジョナサン・リッチマンを聴くと今、目の前にあるものも近いうちになくなってしまう感覚にとらわれる。そんな少し悲しい気分になる。けど、今を楽しもうと思う。ジョナサン・リッチマンはそんな笑顔をしている。


彼からは名や成へと繋がっていたであろうものはとっくに去ってしまっている。繊細でやさしい彼を理解してくれたり笑わせてくれたり悲しませてくれたものも過ぎ去ってしまったことだろう。でも、昔も今も同じ笑顔で同じ歌を歌っている。ぽっかりと空いたところに残ったもの。そこに感傷はない。ただ同じ歌が残っている。それをうたごころと言う。