『天然コケッコー』には奇跡が起こっているらしい。


田舎を舞台にした思春期の青春映画には魔法が宿る。
そして魔法は奇跡の少女を誕生させる。


いちどだけの輝き。
きっと来年は違う人間になっている。
今じゃないとだめな輝き。


そのことには同年代の少年少女は気がつかない。真っ只中にいるから。
心が汚れた大人にしか見えない魔法と奇跡。
大人のための魔法と奇跡。
そして、それがすぐに消えてしまうことも大人は知っている。


1983年 『時をかける少女』 原田知世

映画ラスト。ラベンダーが薫る理科室。二酸化マンガン(のようなすす)を頬につけた原田知世は完璧。大仁田篤をわずかばかりの猶予を持って眺めてあげている心の広い人は彼のチャボ・ゲレロ戦を少年時代に見たことがある人。(全日本プロレス時代のベスト・バウト)。もうひとつは、彼が一番好きな映画に『時をかける少女』を上げていることを知っている人。


1998年 『がんばっていきまっしょい』 田中麗奈
http://www.altamira.jp/ganba/


(予告編映像見つけたら差し替えておきます)

がんばっていきまっしょい!」「しょい!」。あの高校にいたら斜に構えず大声を出せたはず。なっちゃんから「がんばっていきまっしょい」へかけての田中麗奈のブレイク・イヤー。春先に「今年ブレイクする若者が二人いる。半年後には日本人の8割が知っている」と僕は予言した。横浜高校松坂大輔田中麗奈。二人とも見事に期待に応えてくれました。(彼と彼女の前年の動向ははしょります)。

2007年 『天然コケッコー』で夏帆が奇跡を起こしているらしい。
http://www.tenkoke.com/


(俺にも娘ができたらこういうしゃれた名前にしよう)


劇場の大きなスクリーンで見に行こう。胸がつぶれそうになるくらいの“本物の”キラメキを浴びに行こう。汚れてしまった諸君。それじゃあ。劇場で会おう!


10年に1度の神様の贈り物。